写楽殺人事件 高橋克彦 読了

【写楽】と名のつく本を読んでいる。

ネタバレあり

今回は、殺人事件というので、娯楽物と思っていたけれど、作家さんて凄いな〜

浮世絵会の2つの会派の対立
*大学教授の西島が理事を務める”江戸美術協会”
*反協会的姿勢の”浮絵愛好会” 在野の研究家として嵯峨が在籍

二人の浮世絵研究者の対立をめぐり、【写楽=秋田蘭画の近松昌栄】という説を作り上げそして、この説を打ち壊すことによって、浮世絵界の権力闘争。
自分の考えが正しいと信じ、相手を打ち負かそうとする力

緻密に創作された【写楽=秋田蘭画の近松昌栄】説 西島教授の門下生 津田良平が調べていく過程や秋田の現地調査

天明・寛政当時の田沼政治・松平定信の改革 蔦屋重三郎の周りに集まる人々。狂歌人との関わり 田沼意次配下の平賀源内 源内は獄死したと伝えられるも生存説もあり 秋田蘭画 小田野直武 藩主佐竹曙山一族
現代の骨董屋や古美術商の商い 大学の権力闘争 浮世絵界

殺人事件はどうでも良い、西島門下生の津田良平と西島門下を破門された国府洋介が調べていく、謎の写楽 実は綿密に作られた【写楽=秋田蘭画の近松昌栄】であった。

この調査の過程 今まで勉強してきた江戸の文化人の名前がたくさん出てきて楽しい。小説とはいえちゃんと史実に沿っている。知っていることも知らないことも そして思い出すこともあった。

結局は 研究家の嵯峨厚 大学教授の西島俊作 友人の国府洋介の三人が殺される。犯人はわかっていて、周りの状況トリック崩し

根本は【写楽】が謎であることから始まる。やっぱり写楽は面白い





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