【春告鳥】為永春水 巻の2−3.4章 Online勉強会
「はな勝見」と言う言葉について、私は調べていなかったので、復習でございます。
初編第3章
鳥雅が夜中に出かけようとするが、雨が降ってきたため、とりやめに、
女中のお民が雨戸を閉めて家の中に入る時、鳥雅が自分の着ていた寝間着をさむいらだろうからと、後ろからお民にかけてやる。
此の寝間着の柄が、”はな勝見の大形ちりめん、半襟のかかりし小袖”
これからも春水の着物の描写があるのですが、「はな勝見」とは???
花勝見
「江戸小紋」「家紋」「植物」と調べる。春告鳥は人情本であり、衣服の描写が頻繁にあるけれど、当時「花勝見」と呼ばれていたものは、どのようなものなのか?は挿絵を参考にするしか、手がかりはありませんでした。
【江戸小紋柄】
波状の藻草が縦横に配置され曲線の格子になった中に、花菱が置かれた模様。
また、藻草は縦だけ曲線状に描き、枝を伸ばして格子状に見せかけ、その中に花菱を配置した模様もある。
「花勝見(はなかつみ/はながつみ)」は水辺の草の名で、それを文様化したもの。
具体的にどんな植物かわからず、イネ科のマコモ(真菰)、野生のハナショウブなど諸説がある。
江戸の歌舞伎役者で舞の名手と言われた、三代目坂東三津五郎(1775~1831)が花勝見文の衣装を着て、江戸の女性にも流行した。
http://www.natubunko.net/wagara/kotoba09h.html#hanakatumi
【植物から家紋】
つまり、「花勝」という華やかな家紋は、実は「花紋」ではなく、水辺に浮かぶ地味目な水生植物ということになります。 公家である四条家の独占紋である「花勝見」に、田字草が描かれている、このことから、伊勢貞丈は、「花勝見は花形藻(はながたも)の転訛である」と考え、「花勝見」は「田字草」と考えたようです
http://minagi.p-kit.com/page136137.htm
【デンジソウ 花勝見】
デンジソウ 花勝見 wiki
デンジソウ属の植物はシダ植物としては特異な形であり、全体によく似ているが、単葉をもつPilularia(アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア等)、二枚の小葉をもつRegnellidium(南アメリカ)と共にデンジソウ科を構成する。また、同じく水生シダ類であるアカウキクサ、サンショウモ類とは胞子に二形をもつ点などでは共通するが、形態的にはあまりにも異なるため、類縁は遠いものと考えられ、独立してデンジソウ目とするのが通例である。
ただし、近年の分子遺伝学的解析からはこれらが実はごく近縁であるとの結果も出ており、今後の検討が期待される。いずれにせよ、その他の一般的なシダ類との類縁関係については定説がない。
【家紋 花勝見】
大和屋の家紋 花勝見
5代目坂東玉三郎で有名な大和屋です。
大和屋でも いろんな家紋があるんですわ
結局は『春告鳥』の中の花勝見は、挿絵のおくらの輪切りみたいなの、なんでしょうかしらん・・・