べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」37回 『地獄に京伝』

春町先生の自害は耕書堂にも世間にも深い悲しみをもたらした
『鸚鵡返文武二道』の出版を止めなかったと”てい”は蔦重に話す
春町先生を追い詰めたことをふんどし守は考えてくれないだろうかと語る

耕書堂は、春町の作品を桶に入れて 販売 これは 春町を偲んでということなのか?(先週も出てきて話題になりました)
春町の死は江戸の話の種になっていた 

地本問屋の会でも悩ましい問題として取り上げられた、武家である大田南畝は筆を折るという、朋誠堂喜三二は国元に返された
武家は今回の『鸚鵡返文武二道』『天下一面鏡梅鉢』『文武二道万石通』の三作の絶版で、縮み上がってしまった
蔦重は黄表紙をここでやめてはならないと 今度は町方の先生に頼めば良いと考える 政演を呼び寄せ このまま黄表紙が消えても良いのか、お前の肩にかかっていると詰め寄る

吉原・駿河屋の座敷で 蔦重と歌麿が 栃木の豪商 釜谷伊兵衛と対面
栃木の豪商役はお笑いのU字工事の益田 栃木弁丸出しで様になっていて多くのセリフがあるにも関わらず 江戸風の地口やシャレを言って良く演じてました

以前に 栃木街歩きをした時に市役所に復刻版の「深川の雪」「品川の月」「吉原の花」がありました

うちの屋敷に飾る錦絵を肉筆で描いてほしいと頼まれる歌麿
版画刷物と違い肉筆画は一点物、高い値がつくし、絵師としての名も高まる
”きよ”と歌麿は喜び合う
”きよ”の足に赤い出来物有り

一方松平定信老中は、我道を突き進む
棄捐令(大雑把に言うと武士の借金を帳消しにする)を出し 札差が潰れるなんぞは武士の借金を無くし、本来の正しき心で奉公する方が大切 
中洲の取り壊し 田沼が作り上げた俗悪の巣窟なぞ 遊ところなどなくしれ終えば良いっ 
全て倹約をすれば、成り立つ 全て手を打ってある 詳細を書き記した故 異論があれば申し出よ

中洲新地は田沼意次が経済制作のために作った繁華街 江戸の川の中洲を埋め立てて造成され、遊郭や茶屋、芝居小屋が軒を連ねるていた 定信にとっては 田沼の作った街を潰すことは、心地よかったのかもしれない

取り壊された中洲や取締りが行われた岡場所から遊女が吉原に流れ込む 「倹約令の成れの果て」と吉原の親爺様たちがいう
客も景気の悪い中出てくる 頼みの綱だった札差も棄捐令のおかげでそうはいかず 茶屋・見番もなくせば、値が安くなるだろうと倹約を促す
茶屋見番がなくなれば、女郎たちの立場は守れなくなり、吉原はただの大きな岡場所となり、女郎は夢も見られず、地獄となってしまう

耕書堂では倹約を吹き飛ばすため、吉原を救うためにと 歌麿と政演を呼び出す
歌麿は絢爛豪華な女郎の錦絵を描く
政演は以前に黄表紙「黒白水鏡」寛政元年 石部琴好作の挿絵で咎めを受けているので、黄表紙は描きたくない お咎めを受けたくないと言う

ていと蔦重の言い争い

ていは、政演、歌麿にどうか描かないでほしいと言う 旦那様は所詮市井の一本屋にすぎない 立場の弱い者を救いたい、世を良くしたいと言う気持ちは分かるが、少々己を高くみすぎていないか?倒れてしまっては、耕書堂が潰れてしまっては何にもならない

蔦重:春町先生は腹まで切った てめえの保身ばかり考えていて恥ずかしくないのか
てい:黄表紙が消える事が心配ならば、青本として 金々先生の前に戻ったらどうか_
蔦重:春町先生は何のために死んだのか
てい:お咎めを覚悟で突き進むのは春町先生も望まない

蔦重と”てい”は冷戦状態 お互いに何やらやってる様子 
蔦重は自作で黄表紙 『本樹真猿浮気噺 』ホンキニマサルウワキバナシ蔦唐丸(蔦屋重三郎)作 歌麿画
”てい”は市場通笑「即席耳学問」蔦重が今更と言っているのは、通笑は教訓ものだったからだろうか?

【べらぼうナビ🔍蔦重 初の自作黄表紙】
蔦屋重三郎は寛政二年、蔦唐丸名義で『本樹真猿浮気噺(もときにまさるうわきばなし)』を出版。主人公・天野邪九郎がさまざまな珍商売に挑戦するも、全て失敗に終わるお話。未来記風の趣向もさえず、秀作とは言えませんでした。

歌麿と政演は歌麿の家で話す ”きよ”を見て政演は何を思った?馴染みの女郎「菊園」ことを考えただろうか?”きよ”のことを話し、身分の低いものは倹約令など関係ない、弱いものにつけが回ると言っていた蔦重の言う通りだと またもや ”きよ”の足 赤い出来物が増えている 足の出来物は来週どうにかなりそう・・・
女郎買いを指南する洒落本はどうか?

定信は大奥の大崎を呼びだし もっと倹約しろと
すでに倹約していると言う大崎に鈴木越後の羊羹は高い 羊羹など御前所で作れば1/10の値で作れる 削れるところをもっと削れと文章でこの通りにと差し出す

一橋治済邸 能面をいくつか前に置き 定信老中に大奥が質素では威厳に関わる、 大奥のものは外に出られない 中での楽しみまで取り上げないでくれ 情けをかけてくれと頼む

 

朝廷の太上天皇尊号を贈る件(光格天皇は典仁親王に対して太上天皇(上皇)の尊号を贈ろうとした)は御三家にかけて、定信が朝廷に返答すると伝える

一橋治済と松平定信
太上天皇の尊号の件は不承知と治済に伝える ここでも治済 能面をそばに置く 
後の11代家斉が治済に大御所の尊号をようとした問題に影響を与える 朝廷の尊号一件と同じような形になる 大御所の件 定信はしてやったりでしょうな

そこへ、使いの者が現れ、大奥で大崎の役が免じられたと伝える 
つまり 治済は大崎を通じでの大奥へのパイプがなくなってしまった

田沼も真っ青な一存ぶりと治済

定信は上様の命とあらばいつでも辞する覚悟がある 
御金蔵の立て直し・武家の暮らし向・市中風俗取締り・蝦夷・朝廷など このお役目を引受け事を成し得る方が、他にあるならば いつでも退く覚悟と
【謹上御老中衆中 定信】を差し出す

寛政2年正月
耕書堂は新刊を並べる事ができた
『傾城買四十八手』山東京伝作画
『本樹真猿浮気噺 』ホンキニマサルウワキバナシ蔦唐丸(蔦屋重三郎)作 歌麿画
『即席耳学問』市場通笑作 北尾政美画

耕書堂 歌麿と政演 先に話した 女郎買いの指南する洒落本 『傾城買う四十八手』を蔦重に見せる 蔦重はみの吉にも読ませ 自分と同じ思いかを確かめる 
みの吉は夢中になって返事もままならない
女郎に幸せになってほしいと思える これ以上の指南書はないと 絶賛する蔦重 
「買わせてもらいます」

寛政2年正月
耕書堂は新刊を並べる事ができた
『傾城買四十八手』洒落本 山東京伝作画
『本樹真猿浮気噺 』ホンキニマサルウワキバナシ蔦唐丸(蔦屋重三郎)作 歌麿画
『即席耳学問』市場通笑 洒落本 山東京伝 自画出版

菊園は吉原では菊園を見受けしてもらえないかとの話 
菊園は、人の道を解く指南書を政演に 伝える

寛政2年大和田安兵衛版 『心学早染草』山東京伝作・北尾政美(鍬形恵斉)画
人の心を擬人化 心の中にある善心悪心の葛藤を、善玉悪玉というキャラクターで表現 当時流行の心学の教訓的な黄表紙

以前に「チコちゃんに叱られる」で紹介されました。悪玉善玉がお面をかぶって浮世絵なんぞにも登場 ほか黄表紙や浮世絵等にもたくさん登場しています

【べらぼうナビ🔍心学早染草(しんがくはやぞめぐさ)】
タイトルは、宝暦十年(1760)に販売された“染め粉”の商品名「早染草」をもじったもの。この本を読めば、着物を手早く染め上げる「早染草」のように、「心学」の教えがたちまち身に染みつくというわけです。

10/3(金) 午後11:55 まで見られます

蔦重は政演が自分に知らせずに 『心学早染草』を出したことに怒り 政演を吉原へ探しに行く

『心学早染草』は 老中定信の推し進める「倹約・正直・勤勉」を見事にエンタメ化した者でした 

蔦重 ふんどし(定信)に あらがわないと こんなに面白えと どんどん ふんどしを担いじまう
政演 面白ければ良い

ふんどしを担いでるとか担いでないとかよりも 黄表紙は面白ければ良いという京田先生 蔦重は自害した春町先生の思いに囚われすぎているのではないか?

二人の思いは平行線 政演は耕書堂では書かないと宣言

ここに描かれる京伝先生と蔦重の関係 ドラマと分かっていながら違和感 蔦重は京田先生をここまで邪険に扱っただろうか?

寛政2年正月までのお話
5月出版取締令 10月出版規制町触れが発令される 少し前 ここから出版統制が始まる
松平定信が意外と良い奴に描かれている 春町先生のことを考えていてくれた でも春町先生は定信の改革をプッシュしているわけじゃないのよ
尊号一件も意外とあっさり治済受け入れたなあ・・・ 
治済が出てくるたびに能面も登場する やっぱり 写楽を連想しちゃう 私デス

来週予告 ”きよ”はどうなる? 愛之助・鱗形屋登場してたけどどうなる?

毎回ですが、あちこちまとまらない・・・トホホホホ



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