『春告鳥』為永春水四編巻之十20章 巻之第十一21章

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7/31(金)ロバート・キャンベル先生のOnlineイベントに興奮して、春告鳥のレポートを忘れておりました。

7/31(金)13:00~ Online勉強会 まずは音読から始まりました。

第20章

新造”薄垣””薄の香”花魁・薄雲 引込み新造のお袖 お袖の旦那・吉兵衛さん

求肥の餡ころや金玉糖のお菓子でお茶を飲んだり、おしゃべりをしたり
吉兵衛さんを花咲かじいさんと呼んだり、鳥雅さんの思い出を話したり・・・
会話がつづきます。

吉兵衛さんが、薄雲に泉目吉の人形をプレゼント
(お袖には前もって別の人形をあげています)
この人形が、鳥雅さんそっくり、薄雲は大喜び 他の新造たちもわーわーキャーキャーwww

薄雲が人形を押し抱く図 病はちまきをしています。

早稲田デジタルライブラリー 『春告鳥』

最後は、薄雲さん 鳥雅さん似の人形を押し抱いて 人形の顔に落とした涙を拭く・・・

泉目吉
天保ごろ精巧な幽霊人形を政策して評判をとった人形師。「わすれのこり」に泉目吉 本所回向院前に住居して、人形師なり。此者幽霊生首糖をつくるに妙を得たり。天保の初め造るところの物を両国にてみせたり」とあり、「きゝのまにまに」は目吉が怪談咄の林家正蔵の小道具を作ったと伝えている。なお『春色恵の花』には半次郎が此糸を目吉の化け物ろうそくでおどす場面があり、目吉の店が浅草仲見世に出ていたと記している。

人情本「春告鳥」注

『わすれのこり』〔続燕石〕(四壁菴茂蔦著・安政元年?)
『きゝのまに/\』〔未刊随筆〕喜多村信節記

泉目吉は鳥雅さんともお友達で、吉原に目吉を連れてきたこともあったと薄雲が思い出す
当時有名な人形師 幽霊や生首がお得意だったようですが、薄雲さんは大喜び

渓斎英泉画
『春色恵の花』巻一・第一回(早稲田大学図書館・古典籍総合データベース)

巻之十一第21章

場面は変わり、火消しの組頭・甚五郎の家
鳥雅さんは上方を逃げ出して、江戸に帰ってきたけれど、実家にはまだ顔を出せない。
甚五郎は鳥雅の祖父の代からの知り合い。
鳥雅は甚五郎の家に隠れて居候している。

粋な火消頭の甚五郎(37,8歳)と仲睦まじい女房のおりき(27.8歳)
甚五郎とおりきの会話、権次、鉄と、沢山の子分を従えているらしい、粋にかっこいい源五郎〜
おりきは火消頭の内儀として諸々采配している様子

説明はないが、どうも甚五郎の家は表長屋にあるらしい、鳥雅さんは二階に居候している
そして 長屋に”おやな(26,7歳)””お囲”が住む。
26.7歳で年増と呼ばれるぅぅぅぅ ”おやな”は吉原あがり、”お囲”は名前から 囲われている身なのか???

鳥雅さんが”おやな”の家に行き、そこで”お囲”の話を聞く。
”おやな”は気を利かせて”りき”の家でおしゃべり 鳥雅さんはあういう人だからと心配して、”おやな”を家に戻らせる。

お囲は、鳥雅さんに爪弾(三味線を撥を使わず爪で低音に弾く)の端唄を歌って聞かせる。
その端唄は、向島にいた頃、鳥雅が作った文句をお民が三味線で調子をつけた端唄
二人だけで知る人はないはずの端唄 世の中に広まるはずのない唄

お囲はその端唄を芸者お花に教わったという。

鳥雅はお花のことを聞きたい一心だが、
お囲、おやな、おりきはお構いなしに、鳥雅さんをからかったりしている。

この場面やっと、鳥雅さんが登場して、お花(お民)とつながるかもしれないと
ハラハラ ドキドキのシーン
でも、話は直ぐにはすすまない・・・

甚五郎と女房おりきの会話の場面で、小僧が出てきて犬をからかう場面がある。

小僧「黒ヤアイ、おゝしきしき」

犬をけしかける言葉。ウシウシ。「あそこに犬がいる、コヽヽヽヽヽヽシロ、コヽヽヽヽヽヽ、ヲ、シキヲ、シキ」(東海道中膝栗毛)

春告鳥 注

これ、よくわからないんだけれど、江戸時代 犬はクロ、シロ、ブチと毛並み由来の名前 固有に名前が付けられるようになったのは明治以降らしい
「シキシキ」とは犬をけしかける言葉らしい、今ではあまり聞かないデスよね〜

さあて 今後鳥雅さんは 無事にお花に会えるのでしょうか???



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