続・【どふけ百万編】

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【葵の残葉】の中で尾張・慶勝が 「どふけ百万編」を眺めるという箇所があり、調べていました。
一番知りたかったのは、馬に乗ってる人は誰だ???
江戸仲間に相談すると、すぐに本を紹介してくださいました。

幕末維新の風刺画 南和男 に載ってるよ〜と・・・



「どふけ百万編」
「狂斎百狂 どふけ百万編」(大判三枚続、元治元年(1894)三月の改印、版元は築地の大金)
●『暁斎』四九号(1993年三月)で中村夢乃氏が、同氏所蔵の作品に付箋があるのを紹介された。
●「わけ書」 東京大学史料編纂所『風説集後編』に「どふけ百万編」を図示し「右之絵わけ書左ニ」として、絵解きをした記述がある

【幕末維新の風刺画】南和男より

この付箋とわけ書を明記して人物を特定している

[馬上の人][公家風の従者]以外はほぼ一致してるので画像におさめてみました。(画像クリックで別窓で大きくなります)
 
 

赤枠はネット検索でも出てくる人物
白枠は【幕末維新の風刺画】南和男より

[馬上の人]中川宮(わけ書)天子(付箋)
[公家風の従者]願書持公家の姿ハ 大和中山(わけ書)九条(付箋)
南先生は 上記2人の人物は、決定的なものがないため、付箋は世上でさまざまに解釈されていたことを示すものであろう。
と説明なさっています。

面白いのが
銭を持つ人]  銭足上ているハ 小笠原図書さん(わけ書) セゼ(付箋)
小笠原長行(図書)はこの絵の発刊の前年文久3年(1683)5月に、生麦事件の賠償金(10万ポンド)と東漸寺事件の賠償金(1万ポンド)をイギリスに支払った。
これも将軍家茂が在京中 慶喜は払うなと断言、幕閣は勝手に支払うことを決定し小笠原長行が支払いをしたことになる。
慶喜の気ままな行動に、尾張慶勝 会津容保が振り回されている

大蛸(骨なしの幕府)のまわりで、皆(大名)が数珠をもって攘夷の大合唱を念仏講の百万遍を唱えながら、わらわらしている。
 

でーーーー
2人の人物[ 馬上の人][公家風の従者]が、さまざまに解釈されていたということは、他の人物は江戸の人たちはだいたい、わかっていたことになる。
つまり、長屋の熊さん八っつぁんも、だいたい想像していたと・・・
現在、私が必死に理解しようとしているのにサ

恐るべき江戸人



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2 Replies to “続・【どふけ百万編】”

  1. […] 続・【どふけ百万編】 […]

  2. 浜之無学(粱根 操)

    マダムの探求心には頭が下がります。江戸を離れた私には少し眩しく感じます。
    浜之無学

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